老人ホームの希望条件を
整理する4つのポイント

介護施設選びの準備として、希望条件を整理しておきましょう。希望条件のポイントを「身体の状況」「入居金や月々の支払い」「施設について」「その他希望条件」の4つにわけてご紹介します。

POINT 01. 身体状況

適切なサービスを受けるには、ご自身の身体状況をきちんと把握しましょう。
介護施設で提供される介護や医療関連のサービスは施設によって様々ですので注意する必要があります。

  • どのような介護サービスが必要か?
  • 認知症対応は必要か、その程度はどうか?
  • 日常的な医療ケアが必要な症状はあるか?

医療的ケアが必要な場合

「医療行為」とは、医師の医学的な判断や技術がなければ患者さんや利用者さんに危害を与えかねない行為のことです。そのため、本来であれば医師や看護師の資格がなければ実施できません。
しかし、喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの医療行為を日常生活の一部として受けることで、自宅や介護施設など病院以外の場所で生活できる人が増えてきました。このように、医療行為のなかでも日常生活に必要な生活援助行為を「医療的ケア」を呼び、現在その一部は介護福祉士も行えるようになりました。

看護職員の配置

自宅で家族が行っている医療的ケアも老人ホームでは介護スタッフで行う事が出来ません。その為、日常的に医療ケアが必要な場合は、看護職員が配置されている施設を選びましょう。

看護職員配置は、大きく分けると3つに分類されます。

  1. 建物内に看護職員が常駐していない
  2. 日中帯のみ常駐(平均9時~18時まで)
  3. 夜間も含め24時間常駐

※看護職員が24時間常駐していても状況によりご入居が難しい場合もあります。お気軽にご相談ください。「おむすび」が条件に合うホームを探します。

入院や通院

ホーム入居中に病気や怪我で治療が必要になった場合は、医療機関に入院、通院が必要になります。
その場合の費用やサービスは、ホームによって異なります。有料老人ホームは、入居者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、医療機関と協力しています。ホーム毎に、どの様な提携関係か、どのような診療科目が提携医療機関なのか様々です。医療的ケアが必要な場合は看護職員の常駐時間や提携医療機関を確認しご紹介致します。

認知症の方について

有料老人ホームは認知症の方もご生活いただけます。認知症の症状や程度は様々ですが、先ずは常時見守れるスタッフがいる事が条件です。
有料老人ホームなどでは、24時間365日介護スタッフが常駐しています。その中でも、介護スタッフの人員配置が高いユニットケアを実施しているホームや、認知症ケア専門の有資格者を配置しているホームもあります。心療内科、精神科の専門医が往診に来ているホームもあれば、設備や資格に関わらず実績を積み重ねた経験値の高いホームもあり、認知症のケアについては目に見えにくい部分もあります。
症状によって攻撃的になったり、他の方の居室に入ってしまったり共同生活が難しいと思われる場合もありますが、先ずはご相談下さい。「おむすび」が条件に合うホームを探します。

リハビリについて

有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅では、リハビリ専門職の常駐は必須ではありません。
しかし、リハビリをやって欲しい・やりたいとのご希望も多く、有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅でも医療機関と連携し、専門職を配置しているところも増えています。

  • 集団で行うリハビリ 体操や身体機能を使ったレクリエーションなどを集団で行います。
  • 個別で行うリハビリ 個人のリハビリ実施計画に基づき、個別に行います。費用についは専門職のリハビリなので、様々です。介護保険のケアプラン内で行う機能訓練以上に行った場合は実費で別途費用が掛かる場合もあります。医療保険適用の訪問マッサージ業者を利用するなどホームによって異なります。

POINT 02. 入居金や月々の支払いについて

施設の場所

現在お持ちの資産や年金などの収入の範囲内で、無理のない施設を選びましょう。
介護施設の入居には初期費用と月額費用があり、必要な金額は施設でかなり差があります。資産や収入、かかる費用を「おむすび」相談員がお伺いして、最適な施設をお探しします。

  • 手持ちの資金はどのくらい?
  • 年金や生命保険などの収入はどのくらい?
  • 初期費用はいくらかかるの?
  • 月額費用はどのくらい支払える?

POINT 03. 施設について

施設の場所

住みたい場所や交通機関の利便性などを考慮して、施設の場所を絞り込んでいきましょう。
どの地域の施設に住むかによって、入居後の交友関係や活動範囲は変わるので、ご希望の条件を「おむすび」相談員がお伺いして、最適な施設をお探しします。

  • 住み慣れた地元がよい?
  • 家族が訪問しやすい場所はどこ?
  • 駅や病院からの距離はどのくらいが良いか?

レクリエーションと季節ごとのイベント

レクリエーション

有料老人ホームは、日々行うレクリエーションと季節ごとに行うイベントや行事があります。入居者の暮らしに楽しみや生きがいなどを作るため、多介護施設は様々な工夫をしながら企画をしています。レクリエーションは、リハビリを兼ねて取り組んでいるホームもございます。
他に外部の先生を呼び、俳句教室、書道教室、陶芸教室、華道教室、園芸教室、専門的なレクリエーションに取り組んでいるホームもあります。

季節イベント

日々のレクリエーションの他に、季節行事に合わせたイベントなども開催しています。イベントや行事は季節感を感じ、毎日の暮らしに変化をもたらす。また楽しみながら身体を動かし、職員や入居者同士でコミュニケーションをとるのにも大切な時間になります。
見学に行って、どのような取り組みをしているのか、また写真などを見せてもらうと良いかもしれません。また、外出レクリエーションを積極的に取り組んでいるホームなどもあります。
レクリエーションは基本的に入居者の意思を尊重して自由参加になっています。

食事について

有料老人ホームの場合、1日3食、ホームが食事を提供します。ホームに入って、毎日の食事が楽しみの一つに挙げられます。高齢者の栄養バランスを考え、安心、安全の食事が提供されています。
カロリー管理などはどのホームもしっかりされていますが、ホームによってばらつきがあるのが、下記の内容です。

  • 味付け
  • 個別に治療食への対応ができるか?
  • 嚥下機能低下の為の配慮
  • 食事が選択できる

味付けに関しては、好みもありますので、事前に、見学の時に試食などで味わってみる事をお勧めします。また、提供の状況(温かい状態で提供できているか)などでもホームによって違います。
また、食事中のアルコールなどは、ホームによって対応にばらつきがあります。ホームの見学は、試食付きの見学がお勧めです。

施設の設備などについて

ホームを選ぶ時には、上記で述べたような、ホームのサービスや内容を重視する事が最優先ですが、設備が充実していることも重要です。
また、設備面は、介護される方の目線になって選ぶことが重要です。たとえば、新しい施設よりも、古くて生活感がある、アットホームな施設の方が落ち着く方もいらっしゃいます。お部屋が狭くても、転倒のリスクがない、つたい歩きができるなどのメリットも考えられます。トイレが引き戸ではなくカーテンでも車いすで引き戸が開けられない方にはカーテンの方が良い場合があります。
上記のように一般の賃貸目線では無く、入居者の目線で選ぶ事が重要です。

ホーム種別による違い

住宅型有料
老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、民間の企業が運営し、自立、要支援、要介護者の高齢者を受け入れている施設になります。介護サービスが必要なときは、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用して介護を受ける事ができます。
看護師の配置体制はホームにより異なるので、医療依存度が高くなると退去しなければならない場合があります。事前に確認が必要です。

メリット

  • 外部サービスを利用する事ができサービスを選択でき、軽度の要介護状態に対応可能している。
  • 介護付と違い必要なサービスのみ利用可能

デメリット

  • 入居費用は比較的高め
  • 重度の方は住み続けられない事もあります。

サービス付き
高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、民間事業者などによって運営されている施設で、都道府県単位で認可、登録された賃貸住宅です。主に自立~軽度の要介護状態の高齢者を中心に受け入れていますが、最近では、透析専門、リハビリ専門など、医療に特化したサ高住もあります。
特徴は、一般的な賃貸住宅よりも、高齢者が住みやすく、借りやすい事が特徴です。
バリアフリーや、生活支援サービスなど生活しやすい環境が整っています。利用権方式ではなく、賃貸借方式で契約する施設が多く、介護が必要な場合は、住宅型と一緒で、外部の訪問介護、訪問看護を利用する事ができます。

メリット

  • 高齢者が借りやすい賃貸住宅である
  • 入居金は無く敷金などがある
  • 介護認定が無い方でもご利用可能
  • 自由な生活を継続する事ができる。
  • 介護などは外部サービスなので、利用した分のみ費用がかかる

デメリット

  • 家賃が高い
  • 重度の介護状態では、入居は難しい
  • 施設によってサービスの差が大きい

介護付有料
老人ホーム

介護付有料老人ホームには、要介護者を受け入れる「介護専用型」と自立から介護まで幅広く受け入れる「混合型」があります。24時間365日ヘルパーさんがホームの中にいて、いつでも幅広い介護サービスが受けられます。介護付有料老人ホームは、老人福祉法の定める24時間介護サービスを受けられ、看護職員、機能訓練指導員、人員基準、居室の広さ、など、施設の設備や、職員の勤務体制などの基準を満たし、都道府県より「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームのみ介護付となります。介護付有料老人ホームの特徴は、受け入れる高齢者の幅と、提供できるサービスの幅が極めて広く、ホームによって異なるという事です。
施設を選ぶ際はホームのサービス内容をしっかりと把握する事が重要です。

メリット

  • 24時間体制で介護サービスを受けられる事
  • 医療ケアに対応している施設が多い
  • 重度の方でも対応可能

デメリット

  • 自立からの入居は難しい
  • 比較的費用が高い

POINT 04. その他希望条件

介護施設での生活を楽しく快適にするには、施設の設備や規模、周辺環境なども重要です。

  • 居室に対する希望(個室、二人部屋、その他など)
  • 共用施設(趣味、機能訓練、生活利便など)
  • 周辺環境で重視するのは何か(緑、商業施設、交通の便など)

こうしたご希望は、本人の意思を確認し、家族・親族間でしっかりと話し合った結果を、「おむすび」相談員がお伺いして、最適な施設をお探しします。

ご不明なことや疑問など何でもお気軽に「おむすび」にご相談ください。
安心して、安全にお住まいになれる施設をお答えします。